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介護コラム⑬ 日常はもっとグレー|少しの「もっと」を受けるコツと現場の本音

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介護コラム⑬ 日常はもっとグレー|少しの「もっと」を受けるコツと現場の本音

「ついでに洗濯物を取り込んで!」はアリ?制度と善意のあいだにある「もっとグレー」な話


皆さんこんにちは。「えらべる介護」のみやちゃんです。 前回は、家事のサービス中に急きょ「身体介護」が必要になった時の対応についてお話ししました。今回はその反対、「身体介護のサービス中に、家事の支援が必要になったら?」というケースを深掘りします。 「お風呂の予定だったけど、トイレットペーパーがないから買ってきて!」「急に雨が降ってきたから、ついでに洗濯物を取り込んで!」……。 こうした日常の「困った」に対し、ヘルパーはどこまで動けるのか? 良い関係を築くための「コツ」を、現役スタッフの本音でお伝えします。

制度は厳格、現場は…? 介護保険制度において、「身体介護の予定を、急に生活援助(買い物など)に変更できるか」という問いへの答えは、明確に「NO」です。

「トイレットペーパーがないから、お風呂はいいから買い物して!」という訴えも、制度上は「至急保険適用で対応すべき緊急事態」とはみなされません。

実際の現場で「トイレットペーパーがない」と言われたら もし私が現場でそう言われたら、ルールを守りつつ、以下のような代わりの提案を考えます。

  • 一時的にボックスティッシュで代用し、処理方法を工夫する。

  • 家族や友人が動けるか、別の日のヘルパー予定を確認する。

  • 事業所に報告し、関係者間で「予備」を融通できないか相談する。

  • 自費契約がある場合は、追加サービスとして対応可能か確認する。

ルールは守りながらも、ご利用者が困らないための「知恵」を絞るのがプロの仕事です。

急な雨!洗濯物はどうする? さらにグレーなのが「急なトラブルへの善意の対応」です。 例えば、デイサービスからの帰宅介助中に雨が降ってきた。ベランダには家族の分も混ざった洗濯物が干してある……。

ルールを厳格に守れば「何もしない」のが正解です。しかし、多くのヘルパーは、「とりあえずハンガーごと家に入れる(濡れないようにする)」という、一時的な支援を「善意」で行っています。私もおそらく、そうします。

善意が「トラブル」に変わる瞬間 困った時の「一時的な善意」を禁止したくはありません。しかし、これが問題になるのは、「善意の支援を、当然の権利として期待されるようになった時」です。

  • 「前の人は入れてくれたのに」

  • 「家に入れるだけじゃなく、畳んでおくのが当たり前」

こうして要求が膨らんでしまうと、私たちは「申し訳ありませんが、制度外です」と事務的に対応せざるを得なくなります。これは、現場の人間としても非常に心苦しい瞬間です。

良い伴走者であり続けるために 制度のルールは、ご利用者の尊厳と、働くヘルパーの両方を守るためにあります。 でも、日常の「どうしよう」という瞬間に、足はルールの手前に踏みとどまったまま、手だけはそっと伸ばして助け合える……。そんな関係が理想です。

そのためには、

  1. 私たち介護職が、高い職業倫理を保つこと

  2. ご利用者やご家族に、制度の限界を少しだけご理解いただくこと

この両輪が必要になります。サービスの終わりまで、皆様の良い伴走者であれたらいいな、と切に願っています。

まとめ

  • 身体介護から生活援助への急な変更は、原則できない。

  • ヘルパーは「代わりの手段」を提案し、ルールと生活を両立させる。

  • 「一時的な善意」が「当然のサービス」になると、制度の壁を厚くしてしまう。

  • お互いの協力が、柔軟で温かいケアを維持するコツ。

次回は、新しいテーマでお話ししたいと思います。

この記事を書いた人

みやちゃん

保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/同行援助従業者養成研修(応用過程)

訪問介護管理者(歴10年以上)/ 介護支援専門員・介護福祉士 訪問介護の現場責任者として、10年以上にわたり在宅介護の「はじまり」から「終わり」まで、あらゆる局面を実務として経験。制度の枠組みだけでは解決できない、ゴミ屋敷化、近隣トラブル、家族関係の断絶といった、在宅介護の過酷な現実に数多く立ち会ってきた。 介護福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格に加え、視覚障がい者の外出を専門的に支える「同行援護従業者(応用課程)」を修了。専門的な知見と、10年の現場実績に裏打ちされた「判断力」が持ち味。 「みやちゃん」の愛称で呼ばれるが、その本質は「どんなに困難な状況でも、決して見捨てずに出口を探し抜く」という、ご利用者様やご家族様への徹底した伴走姿勢にある。 「本人の言葉」と「目の前にある事実」のズレを見逃さず、ご家族様が一人で抱え込む限界を突破するための確かな道筋を提示し続けている。

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