介護ベッドの選び方|自立支援と介助を楽にする機能・付属品を解説

「寝心地」の先にある自立と安心。介護ベッド選びの第一歩
人生の3分の1を占める睡眠。 心地よい眠りのためにベッド選びは重要ですが、介護が必要な方にとっては、ベッドは「寝る場所」以上の役割を持ちます。 一般のベッドが快適さを重視するのに対し、介護ベッドの神髄は「ご本人の自立支援」と「介助者の負担軽減」にあります。 本記事では、初めての方でも失敗しない介護ベッドの機能選びから、生活を快適にする付属品、床ずれを防ぐマットレスの選び方まで、分かりやすく丁寧に解説します。
もくじ
ご利用者様と介助者に優しい機能に注目!
マットレスや付属品でより快適なベッドを。
介護ベッドと一般ベッドの決定的な違いとは?
人生の3分の1は睡眠に費やされるなどと言われ、いい睡眠のために
寝心地のいいベッドをお求めになられる方もいらっしゃると思います。
ですが介護用のベッドの場合、「用途」と「機能」が大きく異なるのをご存じでしょうか。
目的は「自立支援」と「介助負担の軽減」
一般のベッドが「快適な睡眠」を主な目的とするのに対し、
介護用ベッドの主な目的は「介護される方の自立支援」と「介護者の負担軽減」。
ベッド上で過ごす時間が長くなってきた際、介護される方、介護する側双方に優しい、
様々な特殊機能が搭載されています。
介護保険の利用と相談窓口について
なお、介護用ベットは介護保険を使わず、自費での購入・レンタルが可能です。
自費での購入・レンタルについては、福祉用具取扱業者の相談窓口へ、
相談窓口がなければ業者に直接お問い合わせください。
介護保険を活用したいときは、まずご利用者様が介護認定を受けているかご確認いただき
既に介護認定を受けている方であればケアマネージャーさんに、
活用したいけれど介護保険未申請の方はまずお住いの市区町村にある地域包括支援センター、
または市区町村の介護相談窓口があればそちらにご相談ください。
身体の状態に合わせて選ぶ!介護ベッドの4大基本機能
介護用ベッドはご利用者様の身長や体格に合わせて幅や長さが選べます。
機能は背上げ機能、高さ調整機能、ひざ上げ機能、手元スイッチなどがあります。
起き上がりを助ける「背上げ機能」
モーターで背部を起こし、起き上がりの動作をサポート。座る姿勢が取れない方も上半身
を起こすことができ、食事や読書、ベッドから降りるときにも便利です。
立ち上がりと介助を楽にする「高さ調節機能」
モーターでベッドと床高を調整します。
ベッドから立ち上がる際、ご利用者様の足が床にしっかりつくので安心です。
また、介護する方が腰をかがめなくても介助できる高さに調整できたり、双方の使いやすさがアップします。
足のむくみを和らげる「ひざ上げ機能」
背上げとは別にひざ上げができる機能。好みの姿勢をとれるほか、足のむくみを取るのにも役立ちます。
自分で姿勢を変えられる「手元スイッチ」
ご利用者様自身がベッドにいながら、手元のスイッチを操作して、ベッドをお好みの状態にすることができます。
介護用ベッドは電動モーターで稼働します。
どのメーカーのベッドもそれぞれ特徴がありご利用者様自身の状態だけではなく、
お部屋のスペースなどに合わせて選ぶことができます。
ぜひ福祉用具業者さんと相談しながら、ご利用者様にも、介助される方にも
優しい機能の一台を見つけてください。
介護ベッドをより安心・快適にする付属品
次にベッドに組み合わせることで、より安心・快適になる付属品(サイドレール、介助バー、テーブルなど)を紹介します。
転落やズレを防ぐ「サイドレール」
「サイドレール」は、布団のずり落ちなどを防ぐのに役立ちます。
立ち上がりを支える「介助バー」
「介助バー」はご利用者様がベッドから立ち上がるとき、安心してつかまることができます。
食事や作業に便利な「ベッドテーブル」
また、あると便利なものとして、ベッドの横に置ける「サイドテーブル」や、
ベッドサイドのレールに載せて使用するテーブルがあります。
床ずれ防止に不可欠なマットレスの選び方
介護ベッドマットレスは、電動ベッドの動きに合わせて適切に曲がるように加工されています。
柔らかいものから硬めのものまであるので、身体の状態や好みに合わせてお選びください。
こちらも福祉用具業者さんに相談すると良いでしょう。
床ずれ防止にマットレス選びは慎重に
ベッドでの生活が長くなると「床ずれ」の問題が出てきます。
床ずれの発生は、主に局所的な圧迫力が長時間かかることで起こります。
ご利用者様自身、自力で寝返りが難しくなってきたとき、長時間同じ姿勢で過ごすことが多くなり、
結果、身体の一定部分に局所的に長時間圧がかかることで、床ずれのリスクが高くなります。
「床ずれ防止マットレス」は、床ずれリスクに合わせて選ぶことができ、局部にかかる圧を和らげます。
種類としては、「体圧分散マットレス」や「圧切り替え型エアマットレス」などがあり、
身体の向きを変えられるサポートしてくれるクッションなどもレンタルできます。
まとめ:福祉用具の専門家と相談して最適な一台を
ベッドやマットレスなど、各メーカーからそれぞれ特徴ある商品が多数出ています。
ご利用者様の身体の状態に応じて必要なもの、適切なものをお選びいただくためにも
ぜひ福祉用具業者さんに相談しながら、ご利用者様に合うものを見つけてください。
この記事を書いた人
藤本 千鶴子
保有資格:介護福祉士/福祉用具専門相談員/両立支援コーディネーター
藤本 千鶴子 | 『えらべる介護』代表 / 訪問介護現役サービス提供責任者 現役のサービス提供責任者として、日々多くのご家庭を訪ね、介護の最前線で利用者様やご家族に寄り添い続けている。 現場で直面してきたのは、制度の狭間で悩むご家族の姿や、「もっと早く知っていれば」という切実な声。それらを一つでも減らし、誰もが納得して道を選べる社会をつくりたいという想いから、ポータルサイト『えらべる介護』を設立。 「人の手によるぬくもり」と「福祉用具という確かな技術」。その両方を上手に活用することで、利用者様が「その人らしく日常を過ごすこと」を支える介護の重要性を発信している。家族が一人で抱え込まず、プロの力と道具の力を借りながら、誰もが明日へのゆとりを持てる仕組みづくりに奔走中。

